「左右の数字を線で結ぶ課題」とは
この課題は、左側の列に並んだ数字に対応するものを、右側の列から探し出して線で結ぶトレーニングです。一見シンプルですが、視線を左から右へ、そしてまた左へと大きく動かす必要があるため、「視覚スキャニング能力」を効率的に鍛えることができます。リハビリの現場では、注意障害や視空間認知の改善によく用いられる教材です。
リハビリの目的と期待される効果
- 視覚スキャニングの訓練:視線を左右に広く動かす練習を繰り返し、情報の見落としを防ぐ力を養います。
- 半側空間無視(USN)へのアプローチ:特に左側の空間への意識が薄れやすい方に対して、左から右へと視線を誘導するリハビリとして有効です。
- 選択的注意の向上:似たような数字が並ぶ中から、特定の数字だけを正しく選び出す集中力を鍛えます。
- 目と手の協調動作:目で捉えた数字に向かって正確にペンを動かす、視覚と運動の連動性をスムーズにします。
このような方におすすめです
- 半側空間無視や注意障害のリハビリに取り組まれている方
- 読書中に一行飛ばしてしまったり、探し物で見落としが多かったりする方
- 視空間認知機能の維持・向上を目指したい方
- リハビリの導入として、ルールが分かりやすく、短時間で達成感を得られる課題を求めている方
実施方法とステップアップのコツ
対象者の方の状況に合わせて、以下のように難易度を調整してください。
1. 少ない数からスタート
まずは5個程度の少ない数字から始め、正確に結べることを確認します。最初は定規を使って視線がズレないようにサポートするのも良い方法です。
2. 数字の桁数を増やす
慣れてきたら、数字を増やし、複雑にすることで、視覚的な照合(マッチング)の負荷を高めることができます。
3. タイム計測と正確性の確認
正確にできるようになったら、完了までの時間を計測します。急ぐあまりに線が交差したり、間違った数字に結んでしまったりしないよう、慎重さと速さのバランスを練習します。
セラピスト・指導者へのアドバイス
この課題は、「視線の動線」を観察するのに最適です。特定の場所で視線が止まってしまう、あるいは右側ばかり見て左側を見ようとしないといった様子があれば、左端に赤い線を引いたり、指差しで誘導したりする視覚的代償手段を取り入れてみてください。日常生活において「食事の左側を食べ残す」「左側の物にぶつかる」といった症状がある方にとって、この左右の往復運動は非常に実用的なトレーニングになります。




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