「数字にあう記号を記入する課題」とは
この課題は、提示された対応表を見ながら、数字に対応する特定の記号を素早く書き込んでいくトレーニングです。「符号書き換え課題」とも呼ばれ、視覚的な情報を処理し、正確な運動(書字)へと繋げる一連の流れをスムーズにすることで、脳の回転速度を向上させます。
リハビリの目的と期待される効果
- 情報処理速度の向上:「見て、判断して、書く」というプロセスを繰り返すことで、脳の情報処理スピードを高めます。
- 持続性注意の強化:単調な作業の中で集中力を切らさず、正確に作業を続ける力を養います。
- 視覚的探索能力の改善:対応表と解答欄の間で視線を素早く移動させ、必要な情報を探し出す能力を鍛えます。
- ワーキングメモリの活用:繰り返し行ううちに「1は◯、2は△」といった対応関係を一時的に記憶することで、より効率的な処理を目指します。
このような方におすすめです
- 高次脳機能障害による注意障害や、情報処理速度の低下が見られる方
- 日常生活で「書く作業が遅くなった」「事務的な作業でミスが増えた」と感じる方
- 認知症予防として、脳の敏捷性(びんしょうせい)を維持したい方
- リハビリの導入として、ルールが明快で取り組みやすい課題を探している方
実施方法と活用のポイント
対象者のレベルや目標に合わせて、以下のような工夫を取り入れてみてください。
1. 正確性の確保
まずは、見間違いや書き間違いがないよう、ゆっくりと正確に進めます。対応表を指で押さえながら行うなど、確実な方法からスタートしましょう。
2. タイム計測による動機付け
正確に書けるようになったら、1分間や2分間といった制限時間内に何個書けるかを計測します。過去の記録を更新することが、意欲の継続に繋がります。
3. 学習効果(暗記)の促進
慣れてきたら、対応表をなるべく見ずに、頭の中に入った「数字と記号のペア」を思い出しながら書くことで、記憶機能への負荷を高めることができます。
セラピスト・指導者へのアドバイス
この課題はSDMTなどの認知機能検査と形式が似ているため、臨床現場での評価にも繋げやすいのが特徴です。対象者が「どの段階で時間がかかっているか」を観察してください。対応表を探すのに時間がかかる(視覚探索の問題)、記号を正しく書くのに苦労している(運動制御の問題)、あるいは何度も対応表を見直している(ワーキングメモリの問題)など、つまずきのポイントによって、日常生活へのアドバイスも変わってきます。集中力が途切れやすい場合は、実施時間を短く区切るなどの配慮をしましょう。





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