TMT-A風課題とは
この課題は、紙の上にランダムに配置された数字を「1」から順番に線で結んでいくトレーニングです。神経心理学的検査として世界的に有名な「TMT(Trail Making Test)Part A」の形式をベースにしており、「視覚探索」「持続性注意」「情報処理速度」を総合的に鍛えることができます。
リハビリの目的と期待される効果
- 視覚探索・スキャニング能力の向上:広い範囲から特定の数字を素早く探し出す力を養います。
- 持続性注意の強化:最後まで集中を切らさずに、順番通りに数字を追い続ける訓練になります。
- 処理速度の向上:「見て、判断して、手を動かす」という一連のプロセスを速めることで、脳の回転スピードを高めます。
- 目と手の協調動作:目で捉えた場所に正確にペンを運ぶ動作をスムーズにします。
このような方におすすめです
- 高次脳機能障害(特に注意障害)のリハビリを行っている方
- 自動車運転再開に向けた、基礎的な注意機能訓練を行いたい方
- 視野の狭さや、情報の見落としが気になる方
- 認知症予防として、脳の処理スピードを維持したい方
実施方法と効果的な進め方
単に線を引くだけでなく、以下のポイントを意識するとより効果的です。
1. 正確さとスピードの両立
まずは間違えずに順番通り結ぶことを優先します。慣れてきたら、ストップウォッチでタイムを計測し、過去の自分と比較して速度向上を目指しましょう。
2. 姿勢とスキャニングの意識
紙の全体を見渡すように意識します。特定の場所で手が止まる場合は、首を振って全体を探すなど、効率的な探し方を練習します。
3. 難易度の調整
本サイトでは、数字の数や配置の複雑さが異なるバリエーションを用意しています。最初は数の少ないものから始め、徐々にステップアップしてください。
セラピスト・指導者へのアドバイス
TMT-A形式の訓練では、対象者が「どのエリアで数字を見失いやすいか」を観察することが重要です。例えば、左側の数字ばかり見落とす場合は半側空間無視の可能性、全体的に動作が遅い場合は情報処理速度の低下など、リハビリのヒントが隠されています。訓練中は「次はどこかな?」といった声掛けで探索をサポートし、達成感を得られるように配慮しましょう。また、運転支援に用いる場合は、タイムの短縮だけでなく、焦りによるミスの有無(抑制機能)もチェックポイントになります。


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